Googleで何か検索しているとこういう特別な表示の結果を見たことはないでしょうか?
こういう表示のことを"リッチリザルト"と呼ぶんですが、自分のサイトがこんな風に表示されたら嬉しいですよね。
実はこれ、ある条件を満たせば誰でも表示させることができるんです。その条件というのが「構造化データ」を使うことです。
「構造化データ」をページに貼り付けるだけで上のような表示を実現できます!
ということで今回は「構造化データ」について解説。
これを読んで「構造化データ」のことを少しでも理解してくれれば嬉しいです。そして冒頭のような"リッチリザルト"を出してみましょう。
構造化データとは?
まず初めに「構造化データとは何か」について解説します。
構造化データとはウェブページにとっての「強化パーツ」みたいな存在です。ウェブページに構造化データを貼り付けるとそのページがパワーアップします。
具体的には "そのページの要点をまとめた添付シート" のようなもの。特徴は 機械(Google)がわかりやすいような形式に噛み砕いている点。構造化データが貼ってあるとGoogleがそのページを理解しやすくなります。
生まれた背景
構造化データを理解するにはその「誕生の背景」を知るといいです。
昔のウェブページはフリースタイルで書かれており 規格も何もありませんでした。よって Google(まだ人間の言葉を理解するのが苦手だった)がページを分析、分類するときに時間がかかったり、正確に読み取れない問題がありました。
Googleはこう思っていました。「もっと楽に、もっと正確にウェブページを分析できたらいいのにな」。
ある日、「これは商品ページ」、「これは会社紹介ページ」、「これはニュースページ」、「これは人物紹介ページ」、「これはアクセスページ」と、Googleがいつものようにウェブページを分析 & 分類していると、Googleは気付きました。「あれ、世の中のウェブページの内容って100種類くらいに分類できるんじゃない?」と。Googleは世の中のウェブページがある程度 分類可能なことに気付いたのです。
そしてこう考えます。「みんな事前にウェブページに『これは何のページです』って書いてくれていたら僕たちの仕分け作業が捗るのに!』と。そこで開発されたのが「構造化データ」です。
Googleは世の中に存在するウェブページの内容を元にウェブページの種類を100程度に規格化しました。そして世の中のウェブ作成者に向けてこれをウェブページに貼り付けてくださいと発表しました。
これが「構造化データ」が生まれた背景です。「構造化データ」とは世の中のウェブページを分類するために作られた規格です。
「構造化データ」のイメージ
前置きが長くなりましたが「構造化データ」のイメージをお伝えします。
イメージは表!
「構造化データ」を視覚化すると下のような表の形をしています。一番上にフォーマット名(何についてのページか)を書くところがあってその下に各データがぶら下がっています。
| @type:○○○(何のフォーマットか?) | |
| データ名 | データ |
| データ名 | データ |
| データ名 | データ |
「構造化データ」の役割は大きく2つです。一つは「そのページが何について書かれているページか宣言する役割」、二つ目が「ページに関するデータを格納する役割」です。
役割1:ページの「種類」をGoogleに宣言する
一番上の「@type:○○○」と書かれた部分を見てください。ここにはそのページの種類を書きます。種類は予めGoogleが用意しているのでその中からページに合ったものを選びます。
いくつかフォーマット例を紹介します。
例1:自己紹介ページ
「構造化データ」には人物紹介ページ用の"ProfilePage"というフォーマットが用意されています。これをページに貼り付けるとそのページは人物紹介のページとしての意味を持ち、Googleからも人物紹介のページだと認識されます。
例2:お店のホームページ
あなたはお店を経営していてお店のホームページを作ったとします。構造化データ」には"LocalBusiness"というお店紹介用のフォーマットが用意されており この「構造化データ」をページに貼り付けるとGoogleは「このページはお店のページだな」と認識してくれるわけです。
「構造化データ」のフォーマットは全部で100以上ありますが実戦で使うのはせいぜい10個ほどです。代表的なものは下にまとめています↓(主要なフォーマット一覧)
役割2:フォーマットに「関連するデータ」をたくさん格納できる!
各フォーマットにはそのフォーマットに関連する"質問"がたくさん用意されています(つまりGoogleが求めている情報)。
それらの"質問"と"答え"を書き足せば ページの内容を詳しくGoogleに伝えることができます。
例1:自己紹介ページ
例えば、先ほど自己紹介のページで使った"ProfilePage"という「構造化データ」。このフォーマットには自己紹介に関連する"質問"が用意されています。具体的には名前、メールアドレス、電話番号、身長、体重、所属会社、役職、写真などなど。この中から必要な分だけ"答え"を記入し「構造化データ」内に格納していきます。そうすることによって人物の詳細をGoogleに伝えることができるのです。
例2:お店のホームページ
お店のホームページで使う"LocalBusiness"という「構造化データ」には次のようなデータを格納できます。→住所、オープン時間、閉店時間、営業日、価格帯、メニュー、電話番号など。これらを"LocalBusiness"の内に格納することでお店の情報を詳細にGoogleに伝えることができます。
「構造化データ」を使うメリット
ここまで聞いて こういう疑問が湧くかもしれません。「何でわざわざGoogleのために『構造化データ』を使ってあげなきゃいけないの?」と。
安心してください!ちゃんと私たちにも「構造化データ」を使うメリットはあります!それがこちらです!
「リッチリザルト」検索結果に目立つデザインで表示してくれる!
冒頭で紹介したように「構造化データ」を使うとGoogleの検索結果画面で特別なデザインで表示されます。特別なデザインは数種類あり、これらの特別デザインのことを"リッチリザルト"と呼びます。
「構造化データ」を導入するメリットのほとんどがこれといっても過言ではないでしょう!
構造化データを使えば必ずリッチリザルトで表示されるわけではないことに留意。
構造化データを使えばSEOに有利?
「構造化データを使えばSEOで優遇されるか?」というのはよくある疑問ですが実のところSEOで優遇されることはないとされています。しかし、リッチリザルトで目立つように表示されればクリック率の伸びに繋がります。直接的にはSEOに効果はないかもしれませんが間接的に効果はあるといえます。
例1:階層
わかりやすいところでいうと階層がいい例です。カテゴリー名などそのページがサイトのどこに位置しているかが表示されるこの部分は"パンくずリスト"というフォーマットを使うことで表示できます。
例2:評価
また、"クチコミ抜粋"というフォーマットを使うとこのように星マークのリッチリザルトが表示されます。
注意:全ての「構造化データ」がリッチリザルトに対応しているわけではない
ちなみに全ての「構造化データ」フォーマットが"リッチリザルト"に対応しているわけではありません。100種類くらいあるうちの十数個が"リッチリザルト"に対応しています。
最初はリッチリザルトに対応した「構造化データ」だけ使いましょう。
全ての構造化データ
リッチリザルト非対応の構造化データ
「構造化データ」の中の特定のフォーマットを使うと...→ 検索結果(SERPs)で目立つデザイン("リッチリザルト")で表示してくれる!
おすすめの「構造化データ」フォーマット一覧
みなさんが使うであろう「構造化データ」のフォーマットを一覧にしました。
全ユーザー共通
全ユーザーに関連するフォーマットはこちら。
記事(Article)
普通の記事に貼り付ける汎用性の高いフォーマットです。格納できるデータは→作成者、作成者の名前、最後に変更された日時、記事が公開された日時、タイトル、アイキャッチ、など。(リッチリザルト対応)
パンくずリスト(BreadcrumbList)
パンくず情報を貼り付けるフォーマットです。そのページがトップページからどの位置にあるか知らせます。(リッチリザルト対応:検索結果にパンくずを表示します)
よくある質問(FAQPage)
よくある質問のページに貼り付けるフォーマットです。質問と答えをデータにして格納します。
プロフィールページ(ProfilePage)
個人や組織に関するプロフィールページに貼り付けるフォーマットです。格納できるデータは→名前、別名、自己紹介、写真、SNSアカウント、など(リッチリザルト対応)
商品(Product)
商品に関するページに貼るフォーマットです。第三者が商品をレビューしたりするページや商品を販売するページに貼り付けます。格納できるデータは→商品名、写真、【(商品レビューページには)レーティング、レビュー、いい点、イマイチな点】、【(商品販売ページには)素材、カラー、サイズ、送料、在庫状況など
ビジネスサイト向け
ビジネスサイトに関連するフォーマットはこちら。
ローカルビジネス(LocalBusiness)
店舗のページに貼るフォーマットです。格納できるデータは→住所、開店時間、閉店時間、定休日、電話番号、メニューなど
組織(Organization)
会社や団体のページに貼るフォーマットです。格納できるデータは→組織名、住所、設立日、ロゴ、従業員数、電話番号など
イベント(Event)
催し物を案内するページに貼り付けるフォーマットです。格納できるデータは→場所、住所、イベント名、開始時刻、終了時刻、説明など(リッチリザルト対応)
求人情報(JobPosting)
採用、求人ページに貼り付けるフォーマットです。格納できるデータは→開始日時、説明、会社名、勤務地、職務名、基本給、雇用形態など
リッチリザルト対応。ラーメン屋 求人、本屋 求人、パン屋 求人のような【業種+求人】というワードで検索するとリッチリザルト の例を見ることができます。
その他
その他、特定のコンテンツを運営している人に関連するフォーマットはこちら。
レシピ(Recipe)
料理関連のサイトを運営している人に関連するのがこのフォーマット。料理の作り方を紹介するページに貼り付けるフォーマットです。格納できるデータは→完成写真、料理名、作成者、要約、カロリー数、所要時間、材料名、手順、何人分か?など
画像メタデータ
写真やイラストのサイトを運営している人に関連するのがこのフォーマット。写真やイラストを紹介するページに貼り付けるフォーマットです。格納できるデータは→画像のURL、作成者名、クレジット名、コピーライト、ライセンス など
「構造化データ」の設定の仕方
最後に「構造化データ」の設定方法について解説します。
自動設定してくれるWordPressテーマを選ぶ
優秀なWordPressテーマには「構造化データ」を自動設定してくれる機能が付いています。今使っているWordPressテーマがどの種類のフォーマット(@type)に対応しているか把握して適宜、設定します。
自分で書いてページに貼り付ける
対応していないフォーマット(@type)に関しては自分で設定します。フォーマットを手書き、もしくは専用のジェネレーターで作成しページに貼り付けます。
以上、「構造化データ」について解説しました。